本書は、識学という考え方に出会い、数々の企業の業績アップに貢献した著者が、若手リーダーに向けてマネジメントのノウハウを紹介しています。
本の紹介
向き不向きや自分の意思とは関係なく、リーダーにならざるを得ないときが来るかもしれません。そんな時は、仮面を被りリーダーとして役割を果たします。誰もが自然と仮面(ペルソナ)を日常的に使い分けています。リーダーになったときもリーダーの仮面を上手く使ってマネジメントしたり、変に傷つかないようにしましょう。という導入になっています。
本書では、感情による「国語的なマネジメント」ではなく、数字・理論による「数学的なマネジメント」について書かれています。曖昧さを無くし、再現性のあるマネジメントであるとしています。つまり、誰にでもできるマネジメント法だそうです。
識学の考えを元に5つのポイントに絞って、マネジメントの方法を説いています。
- ルールの思考法
- 位置の思考法
- 利益の思考法
- 結果の思考法
- 成長の思考法
共感したこと
「飲み二ケーション」は完全に終わったについて
位置の思考法の中で上記の項目があるのですが、「完全に終わった」と言い切らなくても良いのではないかと思いました。
飲みたい人同士でやる分には勝手にやってもらって構わないと思います。ただ、飲みの付き合いのよさを仕事の評価に結び付けるのは違うと思います。
飲みの席で部下との距離を縮めて親しくなり、仕事を円滑に進めるといったことは、今までやられてきたことだと思います。この方法を否定はしません。これで上手くいっている組織もあると思います。ただ、このやり方が合う組織、合わない組織があると思います。人によって合う合わないがあると思います。その組織に合った方法を選ぶなり、作り出していければ良いと思います。
個人的には、そもそも業務時間外に仕事上の付き合いが発生するのはおかしいと考えます。
部下たちに大きなマンモスを狩りに行かせるについて
利益の思考法の中で上記の項目があります。
一人ではマンモス(大きな利益)を狩れませんが、集団だとマンモスを狩れます(狩れる可能性があります)。結果的に、一人よりも集団の方が一人の利益が大きくなります。という内容です。
資本主義の中で生活している我々にとって、会社が利益を得ることは重要なことです。その利益を個人に分配して、個人の生活が成り立っています。大きな利益を得るには、集団で連携した方が良いし、そのためのマネジメントのお話ということです。
この項目は、モンスターハンターで考えたときにしっくりきました。ソロプレイで討伐するのが難しくても、マルチプレイなら討伐できる可能性があります。素材集めの効率を考えた場合でも、ソロプレイよりマルチプレイの方が早く素材が集まることでしょう。ソロプレイは、どこかで限界がくるのではないでしょうか。
しかし、ソロプレイにはソロプレイの良さもあります。ゲームに限って言えば、楽しんでできるのならソロでもマルチでも好きに遊べば良いと思います。
感想
本書の印象は、賛否が分かれる本だなというものでした。案の定、amazonで評価が分かれていました。また、読む人を選ぶ本でもあると思いました。
個人的には、言わんとしていることは分かりますし、共感できることが多かったです。しかし、言い過ぎなのでは?と思うところや、賛同できないところもありました。また、言い回しのせいなのか若干の胡散臭さを感じました。この考え方が眉唾もののように感じてしまいます。
度々、他のマネジメント法を否定する文章があり、そこまで断定して言わなくても良いのではないかと思います。そのため、本書の内容に抵抗があったり、反発する方もいると思います。
また、本書に書いてあることを自分の都合のいいように解釈して取り入れることで、不幸な部下が生まれないか一抹の不安が残ります。
結局のところ、本書を読んでどのように思うかは人それぞれです。
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